Q この賃貸借契約書で契約してよいですか。
A 色々とポイントはありますが,敢えて2点に絞ります。
【貸主側】
①更新拒絶の可否
建物所有目的の借地契約,建物の賃貸借契約には原則,借地借家法が適用され,容易に更新拒絶できません。決まった期間での返還を担保したいなら,最初から定期借地借家契約や事業用借地権といった特殊な貸借権にしておくことがマストです。
居住建物の普通借家契約から定期借家契約は制限があるので,途中切替は注意が必要です(借地借家法の附則参照)。
②賃料回収
連帯保証人をとり,遅延利率を高く設定しましょう。相手が消費者でこちらが事業者なら,消費者契約法により14.6%が上限です。
【借主側】
①更新継続の可否
定期契約だと,期間満了で立退きを請求されます。借地借家法の保護を受けるため,定期契約は拒絶した方が無難です。3年5年で退去させられるなんて,事業者でも居住者でもありえないでしょう。
②中途解約
期間の定めのある賃貸借契約は,「中途解約出来る」という条項がなければ中途解約できません(例外:定期借家契約における借地借家法38条5項)。転勤などの予定がありえる場合は,確認しておきましょう。