裁判にかかる実費

Q 裁判には,弁護士費用以外になにかお金がかかりますか?

 

A 訴訟の進行によって,弁護士費用以外に下記のものがかかる可能性があります。

 

【印紙と切手】

 訴える方であれば,裁判所に印紙と切手を納めます。200万円の請求であれば印紙15000円と切手6000円(いわきの地裁の場合),500万円の請求なら印紙3万円と切手6000円です。

 

【登記事項証明書】

 不動産や法人が関係する事件の場合は商業登記や不動産登記を取ります。一つ600円ですが,土地が10筆あればそれだけで6000円になります。

 

【戸籍謄本】

 相続が関係する事件は,亡くなった方の生まれてから死ぬまで全戸籍謄本を取ります。1つ450円か750円ですが,相続人30名とか50名ですと馬鹿にならない金額になります。

 

【弁護士会照会代】

 弁護士は,第三者(医者,銀行や警察など)に弁護士会を通じて照会することができます。1回の照会につき3600円かかります。

 

【不動産鑑定】

 不動産の価値に深刻な争いがある場合,不動産鑑定士に依頼して鑑定が行なわれることがたまにあります。30万円~かかります。ただし,頻度は多くはありません。

 私の経験では50件に1件あるかないか,という程度です。

 

 

以上の通り,訴訟費用は「せいぜい印紙代2-3万円」くらいが圧倒的多数ですが,

 

①不動産鑑定がされる場合

②相続が関係しており相続人多数の場合

③請求金額が1000万2000万と多額の場合

 

など,まれに訴訟費用自体が10万20万かかることがありえます。

③については請求時点でぴたっと分かりますし,②については受任してある程度すれば分かります。①については,相手と裁判の流れ次第としかいいようがありませんが,不動産の価値が問題になる事案(相続や財産分与)でなければ発生することはありません。