Q 弁護士への相談が初めてです。腕の悪い弁護士にあたるのではないかと心配です。何か対策はないでしょうか?
A あなたが腕の良い歯医者や建築士を見抜けないように,弁護士の腕をはっきり見抜くのはムリです。腕の良い弁護士でも,有利な証拠がなければ負けますし,逆も然り。人当たりがよかったり,書く書面が長くても,腕がいいとは限りません(裁判官は,むしろ短い端的な書面を好みます)。
しかし,「腕の悪い弁護士に当たる確率を下げる」ため,いくつかのポイントはあります。なお,私の腕前についてはこちらをどうぞ。
「仕事を始めて1年の新米」と「10年選手」では,後者の方が質が安定しているのは明らかです。
日弁連の弁護士検索のサイトで弁護士名を検索すると,登録番号が分かります。番号が大きいほど新人です。これでだいたいの経験年数が分かります。戸川は35828で,旧60期です。
・46337~48313 65期(経験年数5年目 ※H28.9月時点)
・35165~37428 60期(10年目)
・25761~26426 50期(20年目)
・20485~20961 40期(30年目。以下省略)
当たり外れを避けたいなら,最低5年は経験がある弁護士を選びましょう。
当事務所でも,半年に1-2回は,「他の弁護士に依頼しているんだけど・・・・」という相談者がいらっしゃいます。
あなたが弁護士の腕を見抜けないのは,「ほかに弁護士を知らず比較できないから」というのも理由のひとつです。抱えているトラブルが大きければ大きいほど,依頼する弁護士を慎重に決定すべきです。
命にかかわる病気になったら,適当に目のついた内科にふらりと行かないですよね?弁護士も,年収1億円かせぐ人から依頼者の金を横領する奴まで玉石混交です。一生モノのトラブルを悪徳弁護士に依頼してメチャクチャにされないためにも,消費者側も選ぼうとする努力が必要です。
依頼後の話になりますが,あなたの依頼した弁護士が,何か月も合理的な理由なく着手せずにようやく相手への通知をしたり,裁判期日直前に書面を裁判所に提出しているようであれば,その書面はやっつけで書いた可能性が大です。通常は,裁判の日の1週間前提出です。
もちろん,「第三者に照会した回答が期日ぎりぎりに返ってきた」のように,不可抗力的な例外はありえます。しかし,「直前書面提出」が「連続」しているならば,疑いましょう。
◆口コミや評判がよい・悪い
弁護士業務は対立する人間の相手がいますから,相手方から悪意ある罵詈雑言を受けることは避けられません。ですから,口コミや「評判」があっても,出所の不明なもの(悪意ある相手方が書いた可能性がある)は過信しない方がいいです。
ただ,現時点で,いわきの弁護士について,ネット上では良い評判も悪い評判も出回ってません。人口30万人のいわきでは,「依頼者」の母数が少なすぎるため,評判が確立することは,今後もないと思います。
◆肩書きがスゴイ
何とか委員会所属とか,どこかの会長支部長歴任などは,腕とは関係ありません。福島では,役職はローテーションで回ります。戸川でさえ,福島県弁護士会の理事をしていました。
◆所属弁護士数が多い
仮に10人弁護士がいる事務所に依頼しても,あなたを担当するには一人の弁護士です。(上司の弁護士が新米弁護士監督のため,二人体制にすることはあります。)依頼する弁護士事務所の弁護士数が20名だろうが1人だろうが,あなたに利益も不利益もありません。